170cm以下のトレーニーが選ぶべき着丈は何cmか|主要5ブランドの実寸で検証

白いTシャツとパンツで街を歩く男性 理論

編集長のKAIです。

身長166cm、胸囲110cm。この体型でトレーニングウェアを選ぶと、毎回同じところで止まります。胸に合わせるとサイズが上がって着丈と袖が余る。着丈に合わせると胸がきつい。店頭でSとMを両方着て、どちらも違う気がして棚に戻す——これを何年も繰り返してきました。

今回、MISERU LABでこれまで掲載してきた主要ブランドのサイズ表を「170cm以下」という条件で横断的に並べ直しました。感覚で迷っていたことが、数字ではっきりしました。この記事はその結果です。

「せっかく鍛えたのに、服を着るとスタイルが悪く見える」「筋肉を強調したいのに、身長まで低く見えてしまう」。170cm以下のトレーニーからよく出る悩みです。

結論から言うと、原因の多くは着丈にあります。しかも170cm以下の筋トレ体型では、胸囲に合わせてサイズを決めた時点で着丈が目安を数cm超えるという、構造的なズレが起きます。本記事では、その実態を主要5ブランドの実寸で示したうえで、現実的な対処まで整理します。

結論:170cm以下の壁は「身長」ではなく「着丈」

身長が低く見える最大の要因は、上半身と下半身の見た目の比率です。着丈が長いほど上半身の面積が増え、脚の割合が小さく見える傾向があります(詳しくはなぜ着丈5cmで脚が長く見えるのかで解説しています)。

問題は、トレーニー向けブランドのTシャツが近年オーバーサイズ基調で、着丈が長めに設計されていることです。そこへ「胸囲に合わせるとサイズが上がる」という筋トレ体型の事情が重なります。

身長別・Tシャツ着丈の目安

MISERU LABで整理している着丈の目安は次のとおりです。

身長 目安となる着丈
160〜165cm 64〜67cm
166〜170cm 66〜69cm
171〜175cm 68〜71cm

170cm以下なら、おおむね69cmが上限と考えて差し支えありません。ここを基準に、実際のブランドの数字を見ていきます。

主要5ブランドのTシャツ着丈を並べる

各ブランドレビューで掲載しているサイズ表から、Tシャツの着丈(cm)だけを抜き出しました。

ブランド/アイテム S M L
CRONOS EASY FIT SS TEE 66 68 70
VEATM WIDE BIG T 69 72 75
XENO オーバーサイズT 70 73 76
LÝFT 2 Line Big T-Shirt 71.5 73.5 75.5
LÝFT Script Logo Big T-Shirt 72.5 74.5 76.5
AllOUT Tシャツ(最小サイズがM) — 74 76

166〜170cmの目安である66〜69cmに収まるのは、CRONOSのSとM、そしてVEATMのS(69cm・上限ちょうど)だけです。XENOのSで70cm、LÝFTはSでも71.5〜72.5cm、AllOUTは最小のMで74cm。ビッグシルエット系は、最小サイズを選んでも目安を2〜5cm超えます。

「オーバーサイズが低身長に合わない」とよく言われますが、理由は流行や雰囲気ではなく、設計上の着丈そのものにあります。

胸囲110cmで選ぶと、着丈はどうなるか

ここに筋トレ体型の事情が加わります。胸囲110cm前後なら、身幅はおおよそ55〜58cm以上欲しいところです(胸囲の半分+ゆとりからの編集部の目安であり、確定値ではありません)。各ブランドでその身幅になるサイズと、そのときの着丈を並べます。

ブランド/アイテム 身幅55〜58cmを満たすサイズ そのときの着丈
VEATM WIDE BIG T S(身幅61) 69cm
CRONOS EASY FIT SS TEE L(身幅55) 70cm
XENO オーバーサイズT S(身幅58) 70cm
LÝFT Script Logo Big T-Shirt M(身幅58) 74.5cm
AllOUT Tシャツ M(身幅67) 74cm

胸囲を優先した時点で、着丈が目安の69cmに収まるのはVEATMのSのみ。CRONOSのLとXENOのSで70cm、LÝFTとAllOUTでは74cm前後まで伸びます。つまり身長166cmなら、目安より5cm以上長い丈を着ることになるわけです。

実際、私がLÝFTのビッグTを買ったときも胸まわりを優先してMを選び、着丈74.5cmのラインになりました。胸と肩はちょうどよかった一方で、袖丈が長く感じたことを実体験レビューに書きました。Mサイズの肩幅は57cm、袖丈は25cm前後。胸に合わせると、着丈も袖も一緒に伸びるということです。

これが170cm以下のトレーニーが抱えるトレードオフです。胸・肩に合わせれば着丈が余り、着丈に合わせれば胸がきつい。どちらかを捨てるのではなく、ここから先は見せ方で埋めます。

着丈だけでなく、肩線の落ち方も変わる

同じ表をもう一度、今度は肩幅(背肩幅)で見ると、別の差が出てきます。

ブランド/アイテム Sの肩幅 Mの肩幅
CRONOS EASY FIT SS TEE 44cm 46cm
LÝFT Script Logo Big T-Shirt 51cm 53cm
XENO オーバーサイズT 52cm 55cm
VEATM WIDE BIG T 61cm 63cm

先ほど「着丈69cmで唯一目安に収まる」としたVEATMのSは、肩幅が61cmあります。日本人男性の実際の肩幅より大幅に広い設計で、肩線は二の腕の途中まで落ちます。これはドロップショルダーとして意図された作りで、欠点ではありません。ただし肩線が落ちるほど肩の位置は曖昧になり、鍛えた三角筋の張り出しは出にくくなります(ショルダーシームがシルエットに与える影響)。

つまり170cm以下では、着丈・身幅・肩線の3つが同時には揃いにくいということです。どれを優先するかは目的で決まります。肩の大きさを見せたいならCRONOSやLÝFTのように肩線が肩に近い設計、全体のゆとりを取りたいならVEATM寄り、という整理になります(肩幅を広く見せるメンズコーデもあわせてどうぞ)。

着丈が合わないときに効く4つの手

① 腰の位置を上げて、比率をつくり直す

着丈が目安を超えるなら、裾を全部出さずに前だけ軽くインする、ハイライズ気味のボトムスを選ぶ、といった方法で腰の見える位置を上げます。実際の着丈は変えられなくても、上半身と下半身の境目をどこに見せるかは変えられます。

フロントだけを軽く入れる、いわゆるフロントタックは、ビッグシルエットでも成立しやすい方法です。

② 色のコントラストで視線を上半身へ集める

明るいトップスと濃色のボトムスを組み合わせると、視線は明るい側に集まりやすくなります。白・ライトグレー・ベージュをトップスに、ブラック・ダークネイビー・チャコールをボトムスに置くのが基本形です。

上下とも明るい色、あるいは上下とも濃色だと、身体の輪郭が一塊に見えて縦の分割が弱まります。

③ ボトムスはIライン、ただしワイドの幅に注意

脚のラインを拾いすぎず、裾まで太さが大きく変わらないIラインのシルエットが扱いやすいです。

一方で、ワイドの度合いには注意が必要です。たとえばVEATMのWIDE BIG Tは裾幅がSで59cm、Lで65cmと、ブランド中でも最大級のゆとりがあります。トップスもボトムスも大きく広げると、重心が下がって身長が低く見えやすくなります。広げるなら上下どちらか一方に留めるのが無難です。

④ 小物で視線を上へ誘導する

キャップ、ネックレス、肩掛けなど、顔まわりに視線を集める要素を一つ入れると、全体の重心が上がって見えます。小柄な体型では、足元に重い要素を集めるより効果が出やすいところです。

購入前のチェックリスト

  • 手持ちで一番しっくりくるTシャツの着丈を実測して、自分の基準値を1つ持っておく
  • 気になるブランドの公式サイズ表で、その基準値に近い着丈のサイズを探す
  • そのサイズの身幅が、自分の胸囲の半分+ゆとりを満たしているか確認する
  • 両立しない場合は胸幅を優先し、腰の位置を上げる前提で選ぶ
  • トップスを大きくしたなら、ボトムスの幅は抑える

まとめ

170cm以下のトレーニーがぶつかる問題は、センスではなく寸法の話です。主要5ブランドの実寸を並べると、胸囲110cm前後で身幅を確保した時点で、着丈は69〜74.5cmに広がります。身長166〜170cmの目安が66〜69cmですから、多くの場合は数cm長い丈を着ることになります。

その前提に立てば、やることは明確です。着丈が目安に収まるサイズが存在するなら、それを選ぶ。収まらないなら、腰の位置と色、ボトムスの幅で比率を整える。感覚で迷い続けるより、はるかに再現性があります。

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本記事は、衣服の構造と着用時の見え方を整理した一般的な解説です。掲載した寸法は各ブランドの公表サイズ表および当サイトのレビュー記事にもとづく数値で、同一ブランドでもアイテムや年度により異なります。印象は体格・骨格・姿勢・サイズ・生地・見る角度によって変わり、特定の視覚効果を保証するものではありません。

この記事を書いた人
KAI
KAI

MuscleFit(MISERU LAB)編集長。50代トレイニー。約8年前に筋力トレーニングを始め、独学での試行錯誤の末に「筋肥大には正しいフォームと体のメンテナンスが欠かせない」という答えにたどり着く。体が変わるにつれて既製服が合わなくなった自身の経験から、鍛えた身体を最もカッコよく魅せるためのウェア情報を発信するMuscleFitを立ち上げた。ブランドごとのサイズ感やシルエットを、実際の着用と検証にもとづいて比較している。

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